「仮想通貨の呼び方が暗号資産に変わったのですが、どう違うのでしょうか?詳しく教えてほしい。」
2020年5月から施行された改正法で、仮想通貨は「暗号資産」に呼称が改められました。
呼び方が暗号資産へと変わったことにより、仮想通貨を保有している大勢の方が、今後の動向について気になっていることでしょう。
そこで今回は、仮想通貨が暗号資産に呼称を変更した理由について解説しながら、暗号資産としての役割を紹介します。
この記事を読むことで、仮想通貨の運用について今後の方向性が定まります。ぜひ最後までご覧ください。
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仮想通貨から暗号資産に変更した理由①法定通貨と区別
仮想通貨から暗号資産に呼称を変更した理由として、まず「法定通貨との混同を避けるため」という点が挙げられます。
従来の仮想通貨は、2017年に施行された改正法により通貨として初めて定義され、法定通貨の代わりに買い物ができる新しいツールとして注目されていました。
しかし、実際には投機対象としてのニーズが高まり、仮想通貨は2017年〜2018年にかけて値段が高騰。価格の安定性が低下し、通貨としての機能性を下げてしまいました。
なので日本政府は2019年、仮想通貨に関する法律を再び改正し、「通貨」という名称を「資産」に変更することで、法定通貨と明確に区別しています。
仮想通貨から暗号資産に変更した理由②世界基準への適合
また、仮想通貨から暗号資産に呼称を変更した理由として、「世界基準にあわせるため」という点も挙げられます。
もともと仮想通貨は、世界でも「暗号通貨」と呼ばれていましたが、テロの資金や犯罪目的での利用が懸念され、通貨としての役割が見直されるようになりました。
また、2018年に開催されたG20の国際会議でも、仮想通貨は暗号資産と表現されるようになり、「仮想通貨は通貨としての特性を欠く」と厳しく言及されています。
そして日本国内でも、「仮想通貨は暗号資産へと呼び方を変えるべきだ」という声が上がり、2020年5月に改正法が施行されました。
仮想通貨と暗号資産の違い
今回の法改正で、仮想通貨は呼称が変更されましたが、暗号資産という名称には法的な強制力が存在しません。
なので、これまで通り仮想通貨と呼ぶ業者がいれば、「仮想通貨(暗号資産)」といった捕捉説明で使用されるケースもあります。
また、一般的に暗号資産の方が広義の意味を含んでおり、暗号資産の中に仮想通貨が含まれる、という認識で暗号資産という言葉が使われています。
仮想通貨を暗号資産と呼ぶことはできますが、暗号資産を仮想通貨とは呼べないので注意が必要です。
加えて仮想通貨は、送金や売買などの決済手段として、これまで通り通貨としての利用が可能です。
ちなみに、通貨以外の用途で使用される暗号資産も存在します。次の項目で紹介しますね。
仮想通貨でもある暗号資産「イーサリアム」の特徴①
通貨以外の用途でも使用される暗号資産として、現在「イーサリアム」という仮想通貨が広く知られています。
仮想通貨でもあるイーサリアムは、通貨としての役割の他に、「スマートコントラクト」という機能を搭載しています。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組みのこと。
契約内容の改ざんが困難な上に、仲介者が不要なのでコストが大幅に削減できます。
イーサリアムでは、通常の契約で発生する書類の作成が不要で、人件費や時間などのコストを大幅に削減可能です。
例えば不動産取引の際、イーサリアムのスマートコントラスト機能を活用することで、契約書の取引データを暗号化・電子化し、仲介コストの削減が図れます。
なのでイーサリアムは、通貨ではなくデータ資産として、新しい価値が提供できると期待されています。
仮想通貨でもある暗号資産「イーサリアム」の特徴②
また、暗号資産であるイーサリアムは、知的財産の売買でも役に立ちます。
スマートコントラスト機能を搭載したイーサリアムは、取引データを暗号化することで改ざんが不可能、という特徴を持っているので、高い信頼性を担保しています。
例えば、オンライン上で電子書籍を売買する際、イーサリアムを活用すると、著作権を侵害されることなく信用を保ったまま個人売買が可能です。
また電子書籍だけでなく、スマホのアプリケーションといった知的財産を売買する際にも、イーサリアムの技術が役に立ちます。
ただ、暗号資産はまだ開発段階の技術で、次の項目で挙げる点が懸念されています。
仮想通貨を含む暗号資産の懸念点①個人情報の流出
暗号資産が懸念されている点として、まず「個人情報の流出」が挙げられます。
オンライン上での決済や契約が中心の暗号資産では、セキュリティ対策をしっかり行わないと、外部からのハッキングにより、取引データが流出する危険性があります。
特にパスワード対策は必須で、暗号資産を利用する際は、主に下記の対策が推奨されています。
- すぐに推測されないパスワードの設定
- 複数のサイトで同じパスワードを使い回さない
- 定期的にパスワードを変更する
- 2段階認証を設定する
ちなみに2段階認証とは、アプリやWebサービスへログインする際に、ID・パスワード以外の認証を求めることです。
指紋や顔認証、SMS・Eメールなど、IDとは別の認証を求めることで、第三者が不正にアクセスすることを防いでいます。
仮想通貨を含む暗号資産の懸念点②詐欺案件
つづいて、暗号資産の懸念点として「開発技術が伴わない案件が存在する」点が挙げられます。
仮想通貨を含めた暗号資産は、まだ歴史が浅く開発途上の新しい技術で、今後の可能性が未知数です。
また、新規に開発された暗号資産の中には、資金調達することのみを目的とする仮想通貨もあり、「簡単に儲かる」と宣伝している詐欺案件には注意が必要です。
それでは、仮想通貨を含めた暗号資産は、今後どうなっていくのでしょうか?
仮想通貨を含む暗号資産の今後は?
仮想通貨を含む暗号資産の今後は、取引所への規制強化が予想されています。
仮想通貨はこれまで、ハッキングを受けて大量のコインが盗難される事件を何度も経験し、仮想通貨取引所に対する厳罰化が進みました。
また、仮想通貨に関する投資案件には改正法が適用され、詐欺まがいの怪しい暗号資産は淘汰されることが期待されています。
ちなみに、暗号資産の新たな税制度も検討されていますので、仮想通貨を保持している方は、今後の動向を注意深く観察する必要があります。
次の項目では、暗号資産の保管にオススメの取引所を紹介しますね。
暗号資産の保管にオススメの仮想通貨取引所「GMOコイン」
暗号資産の保管にオススメの仮想通貨取引所として、「GMOコイン」が挙げられます。
GMOコインは、一部上場企業である「GMOインターネット」が運営している取引所で、国内最高水準のセキュリティ体制を整備しています。
またGMOコインでは、ビットコインをはじめ、イーサリアムなどの送金手数料が無料です。
口座開設も無料なので、気になる方は下記の公式ページを確認すると良いでしょう。
仮想通貨と暗号資産の違いをチェック【まとめ】
今回は、仮想通貨を含めた暗号資産について解説しました。要約すると下記の通りです。
- 資産としての技術開発が進む
- 個人間での取引が広がる
- 法規制が強化される
仮想通貨は、2010年に初めて通貨として利用され、まだ10年しか経過していない新しい通貨です。
また、法定通貨と比べて歴史が浅く、通貨としての機能が発展途上である仮想通貨は、犯罪目的での利用やセキュリティ対策などの課題が残ったままです。
一方で、仮想通貨を含めた暗号通貨は、取引所に対する規制や法整備を経て、通貨以外の用途としての可能性を広げています。
この記事を参考に、あなたも仮想通貨の運用が順調に進むことを願っています。