よく耳にする借金と融資。一見なじみのない私たちから見ると、どこがどのように違うかよく分からないままの人が多いです。
「借金と融資って何が違うんだろう・・・。借金はよく、私たちが生活するときに銀行とかで聞く言葉だけど・・・。」
この記事では、借金と融資の違いを以下の8つに分けて説明します。違いを知って、正しい金融知識を身につけましょう。
- 言葉の意味
- 取り立てについて
- 借りる相手について
- 意味の違い
- 借りる人について
- 金利について
- 審査について
- 具体的な使い道について
(アイキャッチ画像出典:https://www.pakutaso.com/201706381741-21.html)
借金と融資の言葉の違いはない

「融資」はローンともいい、お金を貸す側になります。元々目的が決まっている人に対して、銀行や消費者金融がその人にお金を貸す流れのこと。
「借金」はお金を借りる側になり、私たちが一番身近で関係がある言葉で、生活費や学費を借りるために使う方法です。
ですが「借金」も「融資」も言葉の意味は同じ。借主と貸主の立場の違いだけで、方向性は同じです。
借金と融資の意味の違い

一番始めのところで「借金」と「融資」の言葉の違いはないと説明しましたが、2つの言葉の意味は違ってきます。
まず「借金」については消費をするためのもので、以下のような場面を思い浮かべます。
次に「融資」については会社の事業のために使われるもので、「融資」の場合は以下のイメージ。
「借金」も「融資」も結局、お金を借りることでは変わりありませんが、「融資」の場合は借りたお金でさらにお金を増やす意味があります。「借金」とはややイメージが違ってきます。
借金と融資の取り立てのイメージは昔とは違う

借金をしたり融資を受けたりする場合、当然ながらお金を返さないといけません。決まった日に返済をしていきますが、どうしても返済があり、滞った場合は消費者金融などの会社が取り立てを行います。
安心して下さい。テレビドラマであったようなシーンはほぼありません。消費者金融などお金を貸す仕事をする人たちは、「貸金業法」によって厳しいルールが課せられていて、現在の取り立ては以下の5つが中心。
- 話し合い(電話やメール)による請求
- 内容証明その他の書面の送付
- 保全手続(仮差押え)
- 裁判手続(訴訟、支払督促等)
- 強制執行手続
借金と融資の借りる相手の違い

借金と融資はそれぞれ、借りる相手が異なってきます。「借金」の場合は消費者金融やカードローンなどの会社になり、消費者金融は「プロミス」や「アコム」、「アイフル」などの企業が有名。
カードローンに関しては「三菱UFJカードローン」や「三井住友カードローン」、「SMBCモビット」などがあり、CMで見た人も多いのでは?
「融資」の場合は大手銀行から地方銀行などの銀行からお金を借りることに。銀行以外にも「日本政策金融公庫」からお金を借りられます。
ちなみに「融資」を受ける場合、「カードローン」でも可能。
借金と融資の借りる人の違い

「借金」をする人と「融資」を受ける人はそれぞれ異なり、ここまで読み進めた方にはもう察しはつくでしょう。
「借金」の場合は広く、主婦や会社員、学生といった私たちが借りる人になります。日常生活を暮らしているなかで必要になったら借りる人です。
「融資」の場合は自営業をやっている自営業主や企業を運営している社長、自分で会社を作りたい起業家が借りる人になります。事業のために必要になったらお金を借りる人です。
借金と融資の金利の違い

お金を借りる時には必ず金利が付き、「借金」と「融資」の場合は借りるときの金利が違ってきます。
私たちが生活のために利用する「借金」は借りる企業によって異なりますが、「プロミス」の場合は実質年率が4.5%~17.8(2019年3月時点)。
会社を経営する事業主が使う「融資」は事業主の財務状況や企業規模で異なり、「日本政策金融公庫」の場合の中小企業向け基準利率は1.11%~1.30%(2019年3月時点)。
消費者金融と日本政策金融公庫との金利差は、最低4倍から最高14倍もの差があります。
借金と融資の審査の違い

「借金」と「融資」の審査は大きく異なり、「借金」はすぐに借りられる一方で「融資」は手間がかかりすぐに受けられません。
「借金」で「プロミス」からお金を借りた場合、審査時間は最短で30分で融資スピードは最短1時間と早く、今すぐにでもお金を借りられます。
「融資」で「日本政策金融公庫」からお金を借りる場合は、確認や手続きのやり取りや面談などを経て実行され、融資実行までの期間が2ヶ月~2ヶ月半の時間がかかります。
借金と融資の借りられる金額の違い

個人が消費者金融などの企業から「借金」する場合と、事業主が銀行などの金融機関から「融資」を受ける場合では、金額が大きく異なります。
「プロミス」から「借金」をする場合は、借入限度額は1万円~500万円。
「日本政策金融公庫」から「融資」を受ける場合は資金の使い道によって異なりますが、中小企業の普通貸付は借入限度額4,800万円と7,200万円の2つ。
「プロミス」と「日本政策金融公庫」を比べると、最大10倍~14倍の開きがあります。
借金と融資の使い道の違い

「借金」と「融資」はそれぞれ借りたお金の使い方が違います。なぜなら「借金」は個人で、「融資」は企業や事業主が借りることが多いからです。
「借金」の使い道は、生活費や車、住宅、学費など広くさまざま。
という方もいますが、住宅ローンや奨学金を借金と考えてない人が多い。
「融資」の使い道は、商品などを仕入れるための資金や、事業を拡大するために必要な設備投資など。
機械を新しくして、事業拡大のためにお金を借りるシーンを浮かべることが多いでしょう。
借金と融資の違いまとめ
「借金」 |
「融資」 |
|
言葉の意味 | 消費をするため | お金を増やすため |
借りる相手 | 消費者金融、カード会社 | 銀行、日本政策金融公庫 |
借りる人 | 主婦、学生、会社員 | 自営業者、会社の社長 |
金利 | 4.5%~17.8% | 1.11%~1.30% |
審査 | 審査30分、融資実行1時間 | 複雑な手続き、融資実行2ヶ月から2ヶ月半 |
借りられる金額 | 1万円~500万円 | 4,800万円、7,200万円 |
使い道 | 生活費や車、住宅、学費 | 仕入れ資金、設備投資 |
(画像出典:https://www.irasutoya.com/2013/10/blog-post_7796.html、https://www.irasutoya.com/2017/10/blog-post_65.html)
ここまで「借金」と「融資」の違いについて説明しました。2つの違いを理解して、有効活用できるようにしましょう。