「住宅ローンや、溜まった借金・・・。これからどうやって債務完済を目指せばいいんだろう・・・。」
住宅ローンや消費者金融から借りた借金がたくさんあると、今後、債務の完済ができるか不安に感じてしまいますよね。
この記事では、債務完済にまつわる方法について9つの項目で徹底解説していきます。債務完済を目指すために、以下の手順に沿って内容を解説していきますね。
- 債務が完済できない理由を知る
- 自分の借金総額を把握
- 日々のお金の流れを把握するための収支管理について
- 毎月の返済額を把握
他にも複数の借金をまとめる方法や、債務の負担を軽減させる方法について解説しているので併せてご覧下さい。
債務完済を目指して、あなたの人生が安心して送れるように応援してます。
債務が完済できない理由は何があるの?

債務の完済は、人それぞれの個人的な事情がありなかなか難しいことがあります。債務の完済ができない理由は、以下のケースが考えられます。
- シングルマザーで収入が厳しいため、借金に手を出してしまった
- 病気や失業といった想定外のトラブル、妊娠で働けなくなり収入源がなくなってしまった
- 起業した時の事業資金を融資してもらったが、事業に失敗し返済ができなくなった
- 生活が苦しいため、生活費を消費者金融などから借りてしまった
- 買い物依存、パチンコやギャンブル、株式の信用取引で借金をしてしまった
- 詐欺被害にあってしまい、借金をせざるを得なくなった
- 住宅ローンの返済が苦しく、返済が思うように進まなくなった
挙げればきりがありません。債務の完済が難しいケースは、上記の項目が1つだけではなく複数のケースが合わさって複雑化してしまう危険性もはらんでいるのです。
特に、住宅ローンの返済苦や病気や失業といったことは、借金とはほど遠いなと感じる人でもいつ陥ってしまってもおかしくありませんので、決して他人事ではありません。
債務が完済できず、多重債務者に陥ってしまう人も

債務の完済ができず最悪の場合、多重債務者に陥ってしまうこともあります。
上記グラフによると多重債務者の数は、ピーク時の平成20年度(2008年度)の95,165件から、平成27年度(2015年度)には28,677件に減少していますが、まだ多重債務者は一定数存在します。
債務の完済計画を組まずに消費者金融やカードローンでお金を借りてしまい、借りたお金が返せないからまた別の業者に借りてしまうという負のループに陥った結果、多重債務者になることが多いのです。
(グラフのデータ:首相官邸-多重債務問題をめぐる現状についてより)
多重債務者とは、2件以上の、消費者金融などから借金をしていることやクレジットカードを利用して借金がある人のことをいいます。
多重債務者の多くは年収300万円以下の低年収であるとされており、借金の返済がいつもギリギリになってしまっている特徴があります。
低年収の状況の中で借金の元金部分の返済が思うように進まず、利息部分の支払いのみに終始してしまうため借金の返済が進まず、また新たな借金に手を出してしまう可能性が高いです。
債務の完済を目指すために自分の借金総額を把握する

債務の完済を目指すためには、自分の借金の状況を把握することから始めましょう。借金をしている人は、意外と自分の借金総額を把握できておらず、無計画な借金を繰り返してしまうのです。
借金総額が把握できていないのに把握しろというのは難しい話なので、以下に紹介する方法を利用して、借金の総額を確認してみましょう。
- 【残高照会】― 借入先が分かっている場合、その業者のATMやインターネットサービス、電話を使って残高照会をする。
- 【信用情報機関へ開示請求する】― 借入先が分からない場合、信用情報機関(JICC、CIC、JBA)へ開示請求してみましょう。信用情報機関は借金の利用状況が分かります。
信用情報機関へ開示請求する場合、手数料として1000円がかかり、数日後に自宅に郵送で開示結果が届くようになっています。
債務完済を目指すためにおすすめの家計簿アプリ

債務完済を目指すためには自分のお金の流れを把握し、毎日何にお金を使っているのか、余ったお金でどのぐらいのお金を借金返済に回せるかを知る必要があります。
そうなると、家計簿に日々の支出を記録して毎日のお金を把握しないといけないので、手間がかかってしまいますよね。
おすすめなのが、家計簿アプリの「ザイム(Zaim)」です。「ザイム(Zaim)」は、家計簿にいちいち書く手間が省ける利便性の高い家計簿アプリで、以下の強みがあります。
- スマホのカメラでレシートの写真を撮ると、品目と金額を自動で読み取ってくれる。
- 約1500の金融機関と提携しているので、銀行のカードを自動で取得してくれる。データ入力の手間が省ける。
- 円グラフや棒グラフといった、豊富なグラフが用意されているので視覚的に把握しやすい。
- 無料で利用できる。もっとサービスを使いたいならプレミアムプラン(360円)も。
家計簿をいちいち作って、書くという手間がなくスマホがあればすぐにでもできる便利な家計簿アプリとして人気です。
アプリが落ちてしまったり、動作が遅くて入力した金額が合わないといったエラー報告も挙がっていますので、注意してください。
債務完済を目指すためには毎月の返済額を把握する

なかなか債務を完済できない人の特徴として、自分が借りている金利が何パーセントなのかや、毎月の返済額がいくらなのかを把握しないまま、お金を借りてしまっていることが挙げられます。

ネットでは、「プロミス(PROMISE)」という大手消費者金融のサイトで、返済シミュレーションが利用できます。
「プロミス(PROMISE)」の返済シミュレーションでは、「お借入希望額」と「ご返済期間」、「お借入金利(年率)」をそれぞれ入力して毎月の返済額が把握できます。

「お借入希望額」が100万円、「ご返済期間」が12ヶ月、「お借入金利(年率)」が10%だと毎月の返済額は87,915円です。
自分で借りた借金について入力することで、毎月いくらの負担になっているのかが実感できるでしょう。
返済シミュレーションは借金の金利を把握する必要がある
「プロミスPROMIS」などの返済シミュレーションは、自分の金利を手入力する箇所がありますので、自分自身が借金をしている会社の金利が何%なのかを把握しておく必要があります。
ただ、借金をしている会社の金利を把握している人も少ないので、まずは金利を確認するところから始めましょう。
借金をしている会社がわかるのであれば会社のホームページを見てみたり、問い合わせをしたり、契約内容を確認してみてください。
少し面倒ですが、月々の返済額を把握しておかないと、月々どのくらいのお金を用意すればいいのか、月々の出費のどのくらいの割合が借金の返済に充てられるかを把握できません。
多重債務で債務の完済が苦しいなら「おまとめローン」を利用する

多重債務に陥ってしまい、至るところから借金を借りている状態だと、毎月の返済額が分からず債務の完済が難しくなっていくでしょう。
そこで利用したいのが、「おまとめローン」と呼ばれるローンです。「東京スター銀行」や「イオン銀行」などの金融機関や消費者金融が取り扱っている商品です。
「おまとめローン」のメリットは、借入先をひとつにまとめることで返済の管理が楽になることや、金利が安くなるということです。
一方で、「おまとめローン」はデメリットとして、総債務額が増えてしまうことや、設定されている金利が利息上限法ギリギリ(15%~20%)の可能性もあるので注意しましょう。
「おまとめローン」を取り扱う業者によっては、保証人が必要であったり、不動産を担保にするという要求をされたりする場合があります。
銀行で融資を受けている場合の債務の完済が苦しいなら

法人の場合、事業運営のために銀行から融資を受けていることが多いでしょう。事業運営が上手くいっていない場合、銀行融資の債務完済が苦しく、返済が難しくなってしまいますよね。
銀行融資の返済が苦しい場合、銀行に早めの相談をした方が良いでしょう。「銀行に融資の返済が苦しいといったら、今後の事業に影響するのでは?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
銀行は、融資先の法人の融資返済が滞ってしまうと、融資したお金を回収できなくなってしまうことや利息を得られなくなり、銀行の儲けが減ってしまいます。
銀行の儲けが減ってしまうリスクを回避するため、法人が融資返済についての相談をしても、嫌な顔せずに、銀行は柔軟に対応してくれますよ。
返済を延滞してしまってから銀行に相談した場合、銀行へ悪い印象を与えてしまい、新たに銀行融資を受ける時に影響が出てしまうので、延滞する前に相談するようにしましょう。
住宅ローンの債務の完済が苦しいなら

結婚し、家庭を持っている人なら住宅ローンを利用して新築の家を買う機会が多いですよね。
ただ、住宅ローンは安い訳ではないですし、住宅ローンの返済が苦しく、債務の完済ができないのではと不安に感じているかもしれません。
住宅ローンの債務完済が不安なら、住宅ローンの借り換えで金利を下げるか、金融機関に相談してリスケ(リスケジュール)をしてもらう2つの方法がありますよ。
住宅ローンの借り換えで金利を下げる
住宅ローンの借り換えを利用し、今使っている住宅ローンよりも低金利なローンに借り換えると毎月の返済額を減らせる可能性があるのです。借り換え前と借り換え後の状況を例に挙げて説明します。
- 【借入れ残高】― 3000万円
- 【返済期間】― 30年
- 【金利】― 変動金利1.7%(年)
支払い方法は元利均等返済、保証料や諸経費、ボーナス払い分を含めないとして、借り換え前の毎月の返済額は106,439円です。
- 【借入れ残高】― 3000万円
- 【返済期間】― 30年
- 【金利】― 変動金利0.8%(年)
同様に、支払い方法は元利均等返済、保証料や諸経費、ボーナス払い分を含めないとして、借り換え後の毎月の返済額は93,760円です。
住宅ローンの借り換えの結果、12,679円の減額となりました。このように、住宅ローンの借り換えをすることによって、毎月の返済額を減らすことができるのです。
住宅ローンの借り換えの注意点は、事務手数料などの諸費用がおおよそ30万円から80万円必要になることや、審査書類の準備や契約手続きの手間がかかることです。
また、必ずしも借り換えができるとも限らないので、注意しましょう。
金融機関に相談してリスケ(リスケジュール)を行う
リスケ(リスケジュール)とは、金融機関に相談して住宅ローンの返済条件を見直してもらうことを言います。
返済条件の見直しには、「返済期間の延長」と「返済の一時的猶予」の2つの方法が存在します。
「返済期間の延長」
「返済期間の延長」は、おおよそ5年~10年の延長をしてもらえることがほとんどです。35年のローンを組んでいる場合は、延長ができません。
ただし、現在利用しているローンを延長して最大で35年のローンになるなら、「返済期間の延長」が可能となります。
25年のローンを組んでいるとするなら、「返済期間の延長」は最低5年から最大10年の返済期間が延長可能です。
「返済の一時的猶予」
「返済の一時的猶予」は、一定の期間を決めて、その期間だけの返済額を減らしてもらうようにすることです。
例えば、1年間だけ毎月の返済額を減らしてもらうようにする方法がありますよ。
金融機関にリスケを相談すると、あなたの信用情報に影響を与えてしまいます。新たにローンを組めなくなったり、クレジットカードが作れなくなります。
なお、住宅ローンの金利引き下げは信用情報に影響を与えませんので、まずは金利を下げてもらえないかを相談してみるといいでしょう。
債務の完済で悩んでいるなら専門家に相談を

債務の完済がどうしても難しい場合は、法律家や司法書士など専門家の力を借りるのも手段の1つです。司法書士事務所や法律事務所では、無料相談ができるので、まずは相談だけでもしてみましょう。
債務の完済がどうしても難しい場合は、債務整理を使って債務の完済を目指せる方法があります。債務整理は以下の4種類の方法があります。
- 「任意整理」― お金を貸した業者とお金を借りた人が話し合い、今後の返済について決める方法。
- 「特定調停」― 裁判所の手続きによって、お金を貸した業者と借金の今後の返済について話し合いをして決めていく方法。
- 「個人再生」― 裁判所を通じて、借金の減額を行っていく方法。サラリーマンか事業主かによって方法が異なる。
- 「自己破産」― 借金を支払う義務を放棄できる方法。債務整理のなかでも最も効力が強いとされている。
債務整理を利用した場合、「ブラックリスト入り」をしてしまいます。
最低でも5年間「事故情報」が信用情報機関に残ってしまい、新たにローンを組めなくなる可能性もあるので注意が必要です。
なお、債務整理で「ローンの返済」を行っていく場合は、「任意売却」という自分の家や愛車を手放さなくてはいけない状況になる可能性もあります。
まとめ
ここまで、債務の完済にまつわる方法について説明していきました。もう一度内容を振り返ってみましょう。
- 債務完済ができない人の特徴は、シングルマザーで収入が厳しいという生活苦や浪費で借金をするなど、理由はさまざま
- 最悪の場合、多重債務に陥ってしまう人も一定数存在する
- まずは、「残高照会」などで自分の借金状況を把握することが大切
- 自分のお金の流れを把握するために、家計簿アプリ「ザイム(Zaim)」を利用するのも手段の1つ
- 返済シミュレーションで毎月の返済額や金利を把握する
- 複数の金融機関などから借金を抱えているなら、「おまとめローン」を利用してみる
- 銀行融資の返済が苦しい場合、早めの相談をする。
- 住宅ローンの返済が苦しいなら、住宅ローンの借り換えや金融機関にリスケ(リスケジュール)をお願いしてみる
- 債務完済が難しい場合、法律家や司法書士といった専門家に相談してみる
債務完済が苦しい場合、どこから始めればいいのか分からないと不安に思ってしまいますよね。まずは、「残高照会」や「信用情報機関への開示請求」で借金の総額を把握することから始めてみましょう。
そうして、次のステップに進むことで自分が何をしていけばいいのかが、ちょっとずつ分かってきますよ。
債務を完済して、あなたが安心した人生を送れるように応援してます。