学生時代には収入がほとんどない反面、何かとお金が必要です。何か目標がある学生さんは、その目標を達成する手段として学生ローンを考えている方も多いのではないでしょうか?
学生ローンとはその名の通り、学生が自分で組むことができるローンのことです。
学生ローンを利用するにあたって、メリットやデメリットを詳しくご紹介します。
目次
そもそも学生ローンが利用できる条件とは?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504150?title=%E3%82%AC%E3%83%83%E3%83%84%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%92%E3%81%99%E3%82%8B%E5%88%B6%E6%9C%8D%E3%82%92%E7%9D%80%E3%81%9F%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AD%90
学生ローンとは、18歳以上の高校生を除く学生が利用できる消費者金融のことです。
高卒以上の大学生だけでなく、短大生、専門学校生、予備校生も「18歳以上の高校生を除く学生」に該当します。
親から支援が受けられないなどの場合、学生本人がローンを組むことになります。
一般的なアコムやプロミスなどの消費者金融と比べると審査もゆるく、親に内緒で借りることができるため、お金に困ったときには強い味方のように感じますが、メリットだけでなくデメリットも見ていきましょう。
学生ローンのメリットは?
学生ローンを利用するメリットは、冒頭でもお話しした通り、収入のほとんどない学生さんでも何か目標を達成するためにローンを組めるということ。
学費はもちろん、就活用の費用や、生活費、免許取得の費用や旅行費用などにも使うことができます。
このように、一見すると大変便利なローンのように思えますが、次のデメリットもしっかり読んでから考えるようにしてください。
学生ローンのデメリットは?
メリットで挙げた通り、旅行などの小さな目的を叶えることができる学生ローンですが、もちろんデメリットがあります。
学生ローンの限度額は1万円~50万円程度
限度額とは、最高何万円まで借りられるのか、というルールのことです。
学生ローンでは一般的に、1万円~50万円程度の低い限度額が設定されています。
学生に貸し付けるため、多額に設定しても返済できないと考えてのことでしょう。
それに加え、貸入業者を利用する場合は原則、「キャッシングできる金額は年収の3分の1まで」とする総量規制という制度があるため、それも踏まえて上限が決まってきます。
利子は年率10.0%~20.0%がほとんど
利子は、借り入れた金額の大きさによって変わり、借金額が大きいほど低くなります。
学生ローンの利子は、年率10%~20%の間で定められています。
「学生ローンは低金利!」「返済しやすい!」などと宣伝されますが、この利子率は一般的な消費者金融カードローンと何も変わりません。
卒業後のことを見据えてる?学生ローン返済のトラブル事例

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ここで、実際にあった学生ローンのトラブル事例を紹介していきます。
事例①:振り込みのし忘れ
カードローンと違い、学生ローンの多くの業者で「返済は口座振り込みのみ」となっています。
振込手数料がかかるため、返済日は自分で管理しておかなければいけません。
利子に加え、この振込手数料が積み上がっていき、返済額がどんどん上がっていったという事例があります。
さらに返済を忘れた結果、電話や郵便物で催促が行われ、家族にも借金がばれました。
事例②:卒業後、給料が低くて生活が苦しい
この後詳しく解説していきますが、学生ローンは卒業前に全額完済する必要がなく、卒業後でも返済することができます。
それを知っていて在学中の返済を最小限にし、就職後に完済しようと思っていたけど実際就職したら支払いが厳しかったという事例があります。
例えば給料が20万だったとして、そこから税金や社会保険などが引かれると手取りは16万程になり、家賃や光熱費も払っていくとかなり厳しいと思います。
筆者もそうだったのですが、この手取りから家賃や光熱費などを差し引いた上で返済に使えるお金を計算することが、学生の頃はあいまいだったんですね。
学生ローンは卒業後返済が可能?
前項の事例②でも触れましたが、学生ローンは卒業前に全額完済する必要がなく、卒業後でも返済することができます。
学生のときは毎月最低限度額だけ返済していき、社会人になって少しお金に余裕がでてきたら一気に返済してしまう人もいます。
また、追加融資も可能で、「卒業後返済を続けていたけど少し生活費に余裕がなくなってきた」という場合でも、返済している学生ローンに追加融資を申込むことが可能です。
特に新社会人になったばかりの頃は手取りが少なく、生活が厳しくなることも多いので、新社会人になってから学生ローンを追加で申し込む人も多いんです。
学生ローンの卒業後返済はいつまで?
どの業者から借りたとしても、学生ローンを全額返済するまでの最長返済期間は、5年間が一般的です。
たとえば、この記事を書いている2019年7月に学生ローンでお金を借りた場合、5年後の2024年7月までに返済をする必要があります。
そのため、借りるタイミングや返済プランをしっかり考えておかなければいけません。
一方、卒業後にローンが残っている場合には、学生時代よりも収入に余裕があるはずなので、繰り上げ返済や一括返済もできます。少しでも早く返済して、利息を節約することもできますよ。
学生ローンの卒業後返済のメリット
実は学生ローンの業者は、毎月の返済額を一定にしていないところがほとんどなんです。
どの業者でも、毎月1回の返済が最低限必要となりますが、利子の支払いのみで済ますことも可能なのです。
学生さんは、バイトと勉強の両立で大変忙しいことを筆者は理解しています。
バイトの時間をさらに増やすのではなく、もっと収入が出てから返済できるのであれば、学生のうちの負担は少なくなります。
学生ローンの卒業後返済のデメリット
卒業後に返済しようと思っていたけど、手取りが低くて生活が苦しくなった事例を今までの項でお話ししましたが「手取りについてイメージできない」って思った人もいると思うので、具体的に考えてみます。
日本人の新卒の手取りの平均は、厚生労働省によると16万円~17万円だと言われています。
そこから一人暮らしをするのであれば、家賃が平均6万、光熱費が2万と考えて、食費も1日1000円使ったとしても1ヶ月で3万円なので、自由に使えるお金は5万円~6万円となります。
そのうえ、シャンプーやティッシュなどの生活用品を支払っていくと考えて、学生ローンの支払いも重なれば返済が苦しくなることは気付いていただけたのではないでしょうか?
実際、卒業後に学生ローンの返済で困ってる人はどのくらい?

(画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1075379?title=%E9%A0%AD%E3%82%92%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%88%E3%82%8B%E7%94%B7%E6%80%A7)
日本でのデータが明記されていなかったのでアメリカのデータになりますが、ニューヨーク連邦銀行によると私大生の75%が平均400万円もの学生ローンを抱えています。
それではちょっと視点を変えて、日本で借金をしている人についても見ていきましょう。
学生ローンに限らず日本で借金を抱えている人の割合は、国会図書館にある『金融庁 貸金業者関係統計資料』によると3人に1人です。
このことから、アメリカや日本の人はほとんどが借金を抱えて生活していることになります。必ずしも悪いことと考えず、どうしても叶えたい夢があるなら、手段として学生ローンを考えるのもありでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?ここまでの話は、脅すような内容になっていたかもしれませんが、そこまで考えて学生ローンを利用しなければいけません。
学生ローンを借りようと考えているなら、あなたの夢や目標が、学生ローンで借金をするというリスクに見合うかどうかじっくりと考える必要があります。
借金をした場合、返すことは当たり前ですが、学生の夢を応援してるように見えて生活を困難にしていくこの制度はこの先改良されるのでしょうか?
筆者はこの記事を読んでくれた全ての学生さんの夢や目標を応援しています。